【30年後の同窓会】ドラマ映画

アメリカ 2017年
監督：リチャード・リンクレイター
主演：スティーヴ・カレル   ブライアン・クランストン   ローレンス・フィッシュバーン   ユル・ヴァスケス   J. Quinton Johnson   ケイト・イーストン   リー・ハリントン   サミュエル・デイヴィス

名作「さらば冬のかもめ」の原作者ダリル・ポニックサンが2005年に発表した小説をリチャード・リンクレイター監督が映画化した感動のロード・ムービー。ベトナム戦争の戦友3人が仲間に起きた悲劇をきっかけに30年ぶりに再会し、一緒に旅を続ける中で悪友時代の固い絆を取り戻していく姿をユーモアを織り交ぜ描き出す。主演はスティーヴ・カレル、ブライアン・クランストン、ローレンス・フィッシュバーン。1年前に妻に先立たれ、2日前には一人息子がイラクで戦死したドク。悲しみに暮れる彼が頼ったのはベトナム戦争を共に戦った旧友サルとミューラーだった。バーを営むサルと牧師となったミューラーは、30年間音信不通だったドクの突然の訪問に戸惑いつつも、彼の頼みを聞き入れ、息子の軍葬に立ち会うべく3人で旅に出るのだったが…。

再会した同級生たちの外見や雰囲気、そして語られる言葉の端々に、それぞれの30年が刻まれているのを感じました。特に印象的だったのは、変わったものと変わらないものの対比です。年月を経ても変わらない友情や思い出の温かさ、一方で、それぞれの人生を歩む中で変化した価値観や環境が、時に喜びや驚き、そして少しの切なさを生み出していました。映画全体を包む空気感も、どこか懐かしく、それでいて新鮮でした。同窓会という特別な空間だからこそ生まれる、独特の感情の揺れ動きが丁寧に描かれていたように思います。