出典:映画.com
【ゼロの未来】
アメリカ/ルーマニア 2013年
監督∶テリー・ギリアム
主演∶クリストフ・ヴァルツ グェンドリン・クリスティー ルパート・フレンド レイ・クーパー リリー・コール デヴィッド・シューリス サンジーヴ・バスカー ピーター・ストーメア
「未来世紀ブラジル」「12モンキーズ」の鬼才テリー・ギリアム監督が、「イングロリアス・バスターズ」「ジャンゴ 繋がれざる者」のクリストフ・ワルツを主演に描いたSFドラマ。コンピューターに支配された近未来を舞台に、謎めいた数式を解くため教会にこもって生きる孤独な天才技師の人生が、ある女性との出会いから変化していく様を描いた。世間になじめない天才コンピューター技師のコーエンは、「ゼロの定理」という謎めいた数式を解くことを義務付けられ、ひとり教会にこもって定理の解明を続ける。ある日、パーティに連れていたれたコーエンは、そこで魅力的な女性ベインスリーと出会う。自分と同じく天才と呼ばれるボブとの交流やベインスリーとの恋を通じて、コーエンは生きる意味を知っていくが……。
出典:映画.com
テリー・ギリアム監督ならではの、独特な映像美とディストピアな世界観に圧倒されました。特に、教会の地下に広がる巨大なコンピューター施設や、荒廃した街並みの描写は圧巻でした。また、主人公コーエンの孤独や苦悩、ベインスリーとの奇妙な交流など、登場人物の複雑な感情表現も見事でした。
「ゼロの定理」という謎めいた数式を巡る物語は、SF要素だけでなく哲学的な要素も盛り込まれており、難解ながらも考えさせられる内容でした。特に、人間とAIの関係性や、生きる意味について問いかけるようなシーンは印象に残りました。ラストは衝撃的で、賛否両論あるかと思いますが、これまでのストーリー展開とは一線を画すような、独創的な結末でした。
SF映画だけでなく、ディストピア作品や哲学的な作品が好きな人にもおすすめしたいです。また、テリー・ギリアム監督の過去作が好きな人なら、間違いなく楽しめる作品です。

評価90点
コメント