【ハンテッド 狩られる夜】ホラー・スリラー映画

アメリカ/フランス 2023年
監督：フランク・カルフン
主演：カミーユ・ロウ   モナイア・アブデルラヒム   アベ・アンデルセン   J. ジョン・ビーラー   ブライアン・ブライター   ブレンダ・ヌネス   アレクサンダル・ポポヴィッチ   ジェレミー・スキピオ

製薬会社フィンザーでSNSマーケティングを担当するアリスは、不倫相手の同僚との密会後、夫の元へと深夜に家路を急いでいた。道中人里離れたガソリンスタンドに立ち寄ったが店内に従業員の姿はない。仕方なく店を出ようとしたその時、突然どこからか銃弾が飛んできて腕を負傷、スマートフォンも撃ち壊されてしまう。彼女が戻らないのを心配し、店内に入ってきた不倫相手も射殺され、パニックに陥るアリス。なぜ彼女は狙われるのか…？助けを呼ぶ手段もない、逃げ場もない絶体絶命の状況の中、目的の分からない残虐無比なスナイパーとの悪夢のような一夜が幕を開ける…。

そのタイトルが示す通り、主人公が絶え間なく追い詰められる緊張感を描き出す作品です。この映画の最大の魅力は、物語の最初から最後まで、張り詰めた空気の中に閉じ込めるような没入感にあると言えるでしょう。
この映画は、単なる追いかけっこではありません。主人公が直面する恐怖は、外的な脅威だけでなく、内面から湧き上がる心理的なプレッシャーも大きく作用しています。観客は、主人公の目を通して、徐々に精神的に追い詰められていく様子をリアルに体験することになります。なぜ彼女は狙われるのか？ 逃げ場はあるのか？ 誰を信じればいいのか？ という疑問が、観客の心にも次々と湧き上がり、物語に引き込まれていきます。
一般的なホラー映画では、ある程度の展開が予測できるものですが、『ハンテッド 狩られる夜』は、その予測を心地よく裏切ってくれます。一見すると定石通りの展開かと思いきや、予期せぬ方向へと物語が転がり、常に観客の予想の斜め上をいくような展開が待ち受けています。この予測不能さが、作品全体のサスペンスをさらに高めており、最後まで息をのむ展開が続きます。