【NY 心霊捜査官】ホラー映画

アメリカ 2014年
監督：スコット・デリクソン
主演：エリック・バナ   エドガー・ラミレス   オリヴィア・マン   ショーン・ハリス   ジョエル・マクヘイル   ルル・ウィルソン   オリヴィア・ホートン 

ある夜、ニューヨーク市警のラルフは、動物園で子供をライオンの檻に投げ捨てた女を逮捕する。彼女は何かにとり憑かれたかの様に震え、口から泡を吹いていた。また別の夜、妻に尋常ならぬ暴力を振るった男を逮捕する。彼も何かにとり憑かれたかの様に凶気にふれていた。ラルフはこの全く別の事件の捜査を通して、自分にしか聴こえない、自分にしか見えない“何か”、を感じていた・・・。

『ニューヨーク心霊捜査官』は、実話に基づいて描かれた、警察官と悪魔祓いの専門家が協力して不可解な事件に挑むオカルトホラーです。単なるホラー映画というよりは、心理的な恐怖と現実的な捜査が融合した独特の雰囲気があり、観る人によってはサスペンス要素も強く感じられるかもしれません。
物語は、不可解な事件に巻き込まれていく主人公の警察官の視点を通して、徐々に深まる闇を描き出します。派手な飛び道具的な恐怖演出だけでなく、ジワジワと精神に訴えかけてくるような不気味さが特徴で、日常に潜む「何か」への恐怖を煽られます。
俳優陣の演技も非常にリアルで、特に主人公が抱える葛藤や苦悩が丁寧に描かれているため、感情移入しやすいでしょう。どこまでが真実で、どこからが創作なのか、その境界線が曖昧になることで、より一層、観客は物語に引き込まれます。
実話ベースということもあり、過度な演出は抑えられつつも、実際に起こったとしたら恐ろしいと思わせるような描写が随所に散りばめられています。ホラー映画が得意でない方でも、単なるスプラッター描写を期待するのではなく、人間の内面や信仰、そして科学では解明できない現象に興味がある方には、深く考えさせられる作品となるでしょう。