出典:映画.com
【教皇選挙】
アメリカ/イギリス 2024年
監督:エドワード・ベルガー
主演:レイフ・ファインズ スタンリー・トゥッチ ジョン・リスゴー カルロス・ディエス ルシアン・ムサマティ ブリアン・F・オバーン メラーブ・ニニッゼ セルジオ・カステリット イザベラ・ロッセリーニ
全世界に14億人以上の信徒を有するキリスト教最大の教派・カトリック教会。その最高指導者にして、バチカン市国の元首であるローマ教皇が死去した。悲しみに暮れる暇もなく、ローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)は新教皇を決める教皇選挙<コンクラーベ>を執り仕切ることに。世界中から100人を超える強力な候補者たちが集まり、システィーナ礼拝堂の閉ざされた扉の向こうで極秘の投票が始まった。票が割れるなか、水面下で蠢く陰謀、差別、スキャンダルの数々。ローレンスはその渦中、バチカンを震撼させるある秘密を知る。
『教皇選挙』は、普段ベールに包まれている教皇選出の舞台裏を、人間ドラマとして深く掘り下げた作品です。重厚な雰囲気と緊迫感に満ちた描写で、観客をコンクラーベの世界へと引き込みます。
この映画の魅力は、宗教的な背景知識がなくても楽しめる普遍的なテーマが描かれている点です。権力、信仰、伝統と変化、そして人間の葛藤といった要素が繊細に絡み合い、登場人物たちの心理が丁寧に描写されています。特に、枢機卿たちの思惑が交錯する様子は、まるでサスペンスのよう。
映像も非常に美しく、システィーナ礼拝堂を再現したセットや、枢機卿たちの赤い衣装と修道女たちの青い衣装の対比など、視覚的な魅力も満載です。印象的な構図が多く、絵画を見ているような感覚に陥る場面も。
終盤に待ち受ける驚きの展開も、この映画の見どころの一つ。しかし、単なる意外性だけでなく、その裏にある深いメッセージや問いかけが、鑑賞後も長く心に残るでしょう。
宗教や政治に疎い方でも、一人の人間として、組織に属する一員として、普遍的なテーマに共感し、深く考えさせられる作品です。

出典:映画.com
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