【ウルフ・オブ・リベンジ 復讐の狼／アヴェンジメント】アクション映画

イギリス 2019年
監督：ジェシー・V・ジョンソン
主演：スコット・アドキンス   クレイグ・フェアブラス   トーマス・ターグーズ   ニック・モラン   カーストン・ウェアリング   レオ・グレゴリー

金貸しを営む兄に裏切られ、地獄のような囚人生活を生き延びてきた男。母の見舞い中に逃亡した彼は、自分を殺人鬼にした者たちに仕返しすべく街へ舞い戻る。

分かりやすいアクションだけでなく、主人公が抱える葛藤や、彼の行動の原動力となる「怒り」や「悲しみ」といった感情が非常に丁寧に描かれているため、単なるアクション映画に終わらない深みを感じさせます。
特に、スコット・アドキンスのアクションは圧巻の一言です。彼の持ち味である格闘術が存分に発揮されており、生身の人間が繰り出す痛々しいほどの打撃音や、息遣いまで聞こえてきそうな緊迫感のあるファイトシーンは、観る者を釘付けにします。しかし、それ以上に印象的なのは、彼が演じるキャラクターの「人間性」の部分です。傷だらけになりながらも、決して諦めない彼の姿は、観る者に強いカタルシスを与えてくれるはずです。
ストーリー展開は比較的シンプルながらも、予測不可能な要素が散りばめられており、最後まで目が離せません。裏社会の冷酷さや、人間の欲望が渦巻く様がリアルに描かれているため、観終わった後にはずっしりとした余韻が残ります。
全体的に、ハードボイルドな雰囲気と、主人公の壮絶な戦いが織りなす重厚なドラマが融合した作品と言えるでしょう。アクション映画ファンはもちろんのこと、人間の心理描写や復讐劇に興味がある方にもお勧めできる、見応えのある一本です。