出典:Prime video
【ブラックホーク・ダウン】
アメリカ 2001年
監督:リドリー・スコット
主演:ジョシュ・ハートネット ユアン・マクレガー トム・サイズモア サム・シェパード エリック・バナ ジェイソン・アイザックス ジョニー・ストロング
1993年10月3日。東アフリカに位置するソマリアの首都モガディシオに、100名の米軍特殊部隊の兵士たちが舞い降りた。彼らの任務は独裁者アイディート将軍の副官2名を捕らえること。当初、作戦は1時間足らずで終了するはずだった。しかし、2機の最新鋭ブラックホーク・ヘリが撃墜されたことから、兵士たちの運命は一変する。仲間の救出にあたる彼らは、想像を絶する地獄絵図の真っ只中に取り残されることになった・・・。
映画『ブラックホーク・ダウン』は、1993年のソマリア・モガディシュの戦闘を題材にした、非常にリアルで緊迫感あふれる戦争アクションの傑作です。
この映画の最大の魅力は、そのドキュメンタリーのような臨場感にあります。リドリー・スコット監督は、観客をまるで戦場の真っただ中に放り込まれたかのような感覚にさせます。最初のミッションが計画通りに進まない瞬間から、スクリーンには一瞬の静寂もなく、銃弾と爆発、そして兵士たちの叫び声が響き渡ります。この極度の緊張状態が約2時間半、ほぼ途切れることなく続き、観終わった後には、体がこわばるほどの疲労感を感じるかもしれません。これは、単なるエンターテイメントとしてではなく、「戦争」という現実を体験させることに成功している証拠でしょう。
この作品は、特定のヒーローに焦点を当てるのではなく、多数の兵士たちの群像劇として描かれています。登場人物が非常に多いにもかかわらず、それぞれの兵士が持つ一瞬の人間性が垣間見えます。恐怖、義務感、仲間への献身、そして生き残るための必死の努力。彼らが「なぜ戦うのか」という問いに対して、派手な大義ではなく、「隣の仲間を生かすため」という、最も根源的な動機で動いていることが伝わってきます。これにより、観客は感情移入する対象を一人に絞ることなく、戦場にいる「人間」全体に対して深い共感を覚えます。

出典:Prime video





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