【アリータ:バトル・エンジェル】SF・アクション映画

SF・ファンタジー映画
画像出典:Prime video
出典:映画.com

【アリータ:バトル・エンジェル】

詳細

アメリカ/カナダ 2018年
監督:ロバート・ロドリゲス
主演:ローサ・サラザール   クリストフ・ヴァルツ   ジェニファー・コネリー   マハーシャラ・アリ   ジャッキー・アール・ヘイリー   エイザ・ゴンザレス   エド・スクライン   ラナ・コンドル   エル・ラモント   マルコ・サロール   キーアン・ジョンソン   デリック・ギルバート   ジョルジ・A・ヒメネス   ホルヘ・レンデボルグ・Jr   ビリー・ブレア   ミシェル・ロドリゲス

ストーリー

数百年後の未来。スクラップの山の中から奇跡的に脳だけが無傷の状態で発見されたサイボーグの少女アリータは、サイバー医師のイド博士によって新たな体を与えられ、目を覚ます。しかし彼女は、自分の過去や今いる世界についてなど、一切の記憶が失われていた。やがてアリータは、自分が300年前に失われたはずの最終兵器として作られたことを知り、そんな兵器としての彼女を破壊するため、次々と凶悪な殺人サイボーグが送り込まれてくる。アリータは、あどけない少女の外見とは裏腹の驚異的な格闘スキルをもって、迫り来る敵たちを圧倒していくが……。

映画『アリータ:バトル・エンジェル』予告編
感想

この作品は、単なるSFアクションというカテゴリーを超えて、「身体性の超越」と「純粋な魂の肯定」を描き切った、現代映画の金字塔と言っても過言ではありません。
彼女が喜びで瞳を輝かせ、怒りで瞳孔を収縮させるその一瞬の描写には、実写の俳優以上の情報量が詰まっています。
彼女の義体の精緻な彫刻美や、そこに反射するアイアン・シティのネオン。デジタルで構築された存在でありながら、これほどまでに「物質としての重み」を感じさせる映像は、ジェームズ・キャメロンが長年磨き上げてきた技術の集大成です。
サイボーグ同士の戦闘は、肉体的な美しさと同時に、金属が軋み、火花を散らす「破壊の美」を孕んでいます。アリータが古武術「パンツァークンスト」を駆使して巨大な敵を圧倒するシーンは、その体格差をスピードと技術で覆すカタルシスに満ちており、観る者のアドレナリンを極限まで引き上げます。
アイアン・シティという舞台設定は、一見すると絶望的なディストピアですが、そこには不思議な「多幸感」と「生命力」が漂っています。
街の市場に並ぶ食べ物、サイボーグを修理する技師たちの手つき、路地裏で遊ぶ子供たち。そこには、過酷な環境であっても「今日を生きる」という人々の肯定的なエネルギーが満ちています。
常に頭上に居座る「ザレム」という絶対的な存在。届かない場所への憧憬と、足元の泥の中で見つける小さな幸せ。この二層構造が、物語に深い情緒と、常にどこか切なさを伴う独特のトーンを与えています。
物語の核心は、アリータが自分のルーツを探る過程で、「与えられた自分」を脱ぎ捨て、「勝ち取る自分」へと進化していく姿にあります。
最初に目覚めた時の、赤子のような純粋な好奇心。そこから、理不尽な世界に対する憤りを知り、守るべき人のために剣を取る決意。彼女が「戦士」として覚醒する瞬間は、単なる戦闘能力の向上ではなく、精神的な自立として描かれています。
彼女の苦悩や葛藤は、私たちが社会の中で「自分は何者なのか」と問い続けるプロセスと重なります。だからこそ、彼女の戦いは遠い世界の出来事ではなく、私たちの心を震わせるエールとなるのです。
冷たい機械のパーツで構成された彼女が、誰よりも熱い涙を流し、誰よりも激しく運命を切り拓こうとする。そのコントラストが、映画が終わる頃には深い感動へと変わっているはずです。

4.5
出典:映画.com

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