【ボイリング・ポイント／沸騰】スリラー・ドラマ映画

イギリス 2021年
監督：フィリップ・バランティーニ
主演：スティーヴン・グレアム   ヴィネット・ロビンソン   ジェイソン・フレミング   アリス・フィータム   ハンナ・ウォルターズ   マラカイ・カービー

一年で最も賑わうクリスマス前の金曜日、ロンドンの人気高級レストラン。その日、オーナーシェフのアンディは妻子と別居し疲れきっていた。運悪く衛生管理検査があり評価を下げられ、次々とトラブルに見舞われるアンディ。気を取り直して開店するが、予約過多でスタッフたちは一触即発状態。そんな中、アンディのライバルシェフが有名なグルメ評論家を連れてサプライズ来店する。さらに、脅迫まがいの取引を持ちかけてきて…。

この映画は、まるで自分が一流レストランの厨房に足を踏み入れたかのような、圧倒的な臨場感が味わえる作品でした。90分間ワンカットという撮影手法が、その緊張感と熱気を途切れることなく伝えてくるので、瞬きをするのも忘れてしまうほど引き込まれました。
舞台となるクリスマスの夜のレストランは、予約客でごった返し、まさに**「沸騰」寸前**の忙しさ。そんな中、主人公のシェフをはじめとするスタッフたちが、様々なトラブルに見舞われながらも、プロフェッショナルとして料理とサービスを提供しようと奮闘する姿が描かれています。
張り詰めた空気感の中で、それぞれのキャラクターが抱える焦りや葛藤、そしてほんの少しの人間味のようなものが垣間見える瞬間もあり、目が離せませんでした。華やかなレストランの裏側で、これほどまでにドラマチックな出来事が繰り広げられているとは想像もしていませんでした。
観終わった後には、一種の疲労感とともに、仕事に対する責任感のようなものがズシンと心に残る、そんな映画体験でした。