【消えない罪】ドラマ映画

イギリス/ドイツ/アメリカ 2021年
監督：ノラ・フィングシャイト
主演：サンドラ・ブロック   ヴィンセント・ドノフリオ   ジョン・バーンサル   リチャード・トーマス   リンダ・エモンド   アシュリン・フランチオージ   ロブ・モーガン   エマ・ネルソン   ウィル・プレン   トム・グイリー   ヴィオラ・デイヴィス

暴⼒犯罪の刑に服した後、刑務所を出所したルース・スレーター(サンドラ・ブロック)。だが彼⼥が戻った社会は、過去の罪を許さぬ世界。故郷では厳しい批判にさらされる。そんなルースに残された罪をつぐなう唯⼀の道は、かつてしかたなく置き去りにして離れ離れになった妹を探し出すことだった。

サンドラ・ブロックが新境地を開いたと話題の本作。実際に観てみて、その評判通りのずっしりとした重みと、観終わった後の余韻が残る作品でした。
主人公は、過去に犯した罪により刑務所から出所してきた女性。彼女が直面する社会の冷たい目、そして何よりも自分自身の「消えない罪」との葛藤が、ひしひしと伝わってきます。
物語は決して派手ではありませんが、登場人物たちの心の機微が丁寧に描かれており、観ているこちらも彼らの感情に引き込まれていきます。特にサンドラ・ブロックの演技は圧巻で、多くを語らずともその表情や佇まいから、彼女が背負ってきたものの重さや、内に秘めた複雑な感情が伝わってきて、目が離せませんでした。
この映画で描かれるのは、単純な「悪人」と「善人」の話ではありません。人が過ちを犯した時、その罪は本当に消えるのか？ 周囲は、そして社会は、どのようにその人間を受け入れるのか？ そして、赦しとは一体何なのか？ といった、非常に普遍的で重い問いを投げかけられます。