【ディヴィジョン】アクション・スリラー映画

アクション映画
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出典:映画.com

【ディヴィジョン】

詳細

ブラジル 2020年
監督:ヴィセンテ・アモリン
主演:リック・コルデイロ   シルヴィオ・ギンダーニェ   ナタリア・ラージュ   セルモ・フェルナンデス

ストーリー

1997年ブラジル、リオデジャネイロ。この街では毎月11件の誘拐事件が発生し、その多くが富裕層からの身代金を目的としたギャング絡みの“誘拐ビジネス”だった。次期大統領候補の議員の娘が誘拐されたことをきっかけに、リオ州警察の首脳陣は多発する誘拐事件撲滅のため、容赦ない捜査で“殺し屋”の異名を持つ麻薬取締課のメンドンサと、賄賂などを駆使し、汚いやり方でギャングにも精通しているサンチアゴを誘拐対策課に迎え入れる。人質となった議員の娘を救出するべく、サンチアゴを中心に捜査は進められるが、犯人に先回りされ、何度も逃げられてしまう。捜査情報が漏れていることに気が付いたサンチアゴは、警察内部の裏切り者の存在を疑い始めるが…果たして彼らは無事に人質を救出できるのか!?

映画『ディヴィジョン』予告編
感想

2020年公開のブラジル映画『ディヴィジョン』は、リオデジャネイロの凄まじい混沌を背景に、「正義の境界線」を問い直す骨太な警察アクションです。1990年代に多発した誘拐事件という実話をベースにしており、その圧倒的なリアリティに飲み込まれます。
究極の「毒をもって毒を制す」
本作の最大の見どころは、性格も信条も真逆な二人の刑事がコンビを組む点です。
手段を選ばず容赦なく犯人を追い詰める男。 組織の腐敗にどっぷり浸かりながらも、頭脳明晰で計算高い男。
本来なら相容れないはずの二人が、次期大統領候補の娘の誘拐事件という国家を揺るがす事態に直面し、協力せざるを得なくなります。彼らが追求するのは「綺麗な正義」ではなく、地を這うような執念と暴力による解決です。このアンチヒーロー的な構図が、視聴者に「本当の正義とは何か?」という重い問いを突きつけます。
ブラジル映画特有の、熱気と埃っぽさが混じり合ったような生々しい映像美が、事件の緊迫感を際立たせています。単なるアクション映画に留まらず、警察内部の腐敗や政界との癒着といった社会の闇を深く描いているため、物語に重厚な説得力があります。
「勧善懲悪」を期待すると、その結末や過程の不条理さに驚かされるかもしれません。しかし、誰が味方で誰が敵か分からない心理戦と、冷徹な銃撃シーンのバランスが絶妙で、最後まで目が離せない掘り出し物の力作です。

4.0
出典:映画.com

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