【ストーカー 3日目の逆襲】スリラー映画

アメリカ 2020年
監督：ジョン・ハイアムズ
主演：ジュールス・ウィルコックス   マーク・メンチャカ   アンソニー・ヒールド   ジョナサン・ローゼンタール

最愛の夫が逝き、都会を離れて田舎への引っ越しを決意した女性。林道を走行中、謎の黒い車に煽られて、危うく事故に巻き込まれそうになる。その後も、彼女の行く先々でその車が執拗に付きまとう。姿の見えない相手に恐怖を感じた彼女は、必死に逃げ始める。

ジョン・ハイアムズ監督のサスペンススリラー『ストーカー 3日目の逆襲』は、田舎へ引っ越す女性が、道中で出会った不審な男に執拗に追い回される恐怖を描いた作品です。序盤は緊迫感のあるカーチェイス、中盤からは人里離れた森でのサバイバルに焦点が移り、主人公の機転と反撃が光ります。緊張感を煽る演出は巧みで、シンプルなストーリーながらも飽きさせません。ただし、犯人の動機が深く描かれていない点や、一部の行動にツッコミどころがあるという声もありますが、ハラハラドキドキのスリルを味わいたい方には楽しめるでしょう。
この映画の最大の魅力は、観客を飽きさせない予測不能な展開です。主人公が直面する絶望的な状況と、そこから生まれる葛藤、そして予想外の行動が、観る者の心を強く揺さぶります。ただ恐怖を煽るだけでなく、人間ドラマとしての深みが丁寧に描かれているため、観終わった後もその余韻に浸ることができます。ストーリーが進むにつれて、観客は「次はどうなるのか？」という期待と不安で、画面から目が離せなくなるでしょう。
美術や音楽、そして光と影の使い方といった演出面も、この作品の魅力を高めています。不穏な雰囲気を醸し出す美術、そして観客の感情を巧みに操る音楽が、映画全体の緊張感を一層引き立てています。特に、心理的な恐怖を表現する映像表現は秀逸で、観客はまるで自分自身が主人公と同じ状況に置かれているかのような没入感を味わうことができます。
『ストーカー 3日目の逆襲』は、ホラー映画が苦手な人でも楽しめる、上質なサスペンスとしてもおすすめです