出典:映画.com
【ハイエナたちの報酬 絶望の一夜】
フランス 2017年
監督:ゲラ・バブルアニ
主演:ヴァンサン・ロティエ ギオルギ・バブルアニ Charlotte Van Bervesseles ルイ=ド・ドゥ・ランクザン ブノワ・マジメル
若者たちの貧乏脱出作戦!それは政府役人とマフィアの裏金 100 万ユーロ を盗み出すこと。真夜中、役人の豪邸に盗みに入った男女 3 人は予想外の 事態に直面する。
この作品は、「一攫千金を夢見る若者たちが、手を出してはいけない領域に足を踏み入れた結果、制御不能な状況に陥っていく」という、クライムサスペンスの王道的なテーマを扱っています。しかし、その展開や描かれ方は非常にフランス映画らしい、重く、そしてどこか皮肉めいたトーンで貫かれています。
物語は、貧しい生活から抜け出したい兄妹とその悪友という3人の主人公たちが、偶然手に入れた「悪徳警察官僚がマフィアから受け取った裏金」の情報をもとに、大胆な強奪計画を実行するところから始まります。
タイトルの「絶望の一夜」が示すように、彼らの計画は最初からスムーズにはいきません。むしろ、一つの誤算が連鎖し、状況はあっという間に泥沼化していきます。この映画の魅力は、プロの犯罪者ではない「素人」である彼らが、金という「エサ」に目が眩み、いかに冷静さを失い、拙い判断を重ねていくかを生々しく描いている点です。
登場人物たちは、一瞬の気の緩みや、わずかな「欲」に駆られて、取り返しのつかない決断を下します。その結果、物語は予測不能な方向へと加速し、観客はまるでジェットコースターに乗っているかのようにハラハラさせられるでしょう。特に、一夜の間に次々と起こる「予期せぬ事態」は、画面から目が離せなくなるほどの緊迫感を生み出しています。
この映画が単なるアクションやサスペンスで終わらないのは、「人間ドラマ」としての深さがあるからです。お金を手に入れることで人生が変わるという希望を抱いたはずの主人公たちが、極限状態に追い込まれる中で、それぞれの人間性や信頼関係が試されます。

出典:映画.com





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