【アニー・イン・ザ・ターミナル】クライム・サスペンス映画

アメリカ/イギリス/ハンガリー 2018年
監督：ヴォーン・ステイン
主演：マーゴット・ロビー   サイモン・ペッグ   マイク・マイヤーズ   マックス・アイアンズ   デクスター・フレッチャー   マシュー・ルイス   カタリーナ・キャス   ニック・モラン   トーマス・ターグーズ   Joseph Dunn   レス・ラヴデイ

イギリス、ロンドンの地下鉄終着駅のある街。ダイナーで働く女性アニーには、街の裏側で起こる厄介ごとをひそかに片付け、後始末する謎の美女という裏の顔があった。実は彼女にはある目的があり……。

『アニー・イン・ザ・ターミナル』は、ネオンがまぶしい退廃的な街の片隅にある、うらぶれたターミナル駅を舞台にしたノワール調の異色作です。マーゴット・ロビー演じる謎めいたウェイトレス、アニーを中心に、個性の強い登場人物たちが織りなす会話劇と、バラバラの時系列で描かれる展開が特徴です。
全体を通して漂う独特の雰囲気と映像美は非常に魅力的で、特にネオンの光が印象的なロケーションは、まるで一つのアート作品のよう。主人公アニーの妖艶でミステリアスな存在感も際立っており、彼女が何者なのか、目的は何なのか、観客を引きつけます。
しかし、物語の序盤から中盤にかけては、断片的な情報と複雑な構成のため、何が起きているのか分かりにくいと感じるかもしれません。会話が中心で展開が緩やかに進むため、人によっては退屈に感じる可能性もあります
​後半になると、バラバラだったパズルのピースが繋がり始め、物語の全体像が見えてきます。散りばめられた伏線が回収されていく過程は、考察好きには楽しめる要素です。賛否が分かれる部分もありますが、スタイリッシュな映像とアニーの魅力に浸りたい方、ノワールやミステリーが好きな方におすすめできる作品です。物語の明確さよりも、雰囲気や独特の世界観を重視する方に特に響くでしょう。