出典:映画.com
【キック・オーバー】
アメリカ 2011年
監督:エイドリアン・グランバーグ
主演:メル・ギブソン ダニエル・ヒメネス・カチョ ドロレス・エレディア ピーター・ストーメア ピーター・ゲレッティ ロベルト・ソサ マリオ・サラゴサ ヘラルド・タラセナ ディーン・ノリス テノッチ・ウエルタ・メヒア フェルナンド・ベセリル スコット・コーエン ボブ・ガントン
「ドライバー」と呼ばれる男が、マフィアから大金を強奪して逃亡。だが、国境越えに失敗し、凶悪犯ばかりを収容した最悪の刑務所エル・プエブリートへ送られる。囚人からマフィア、悪徳所長までもが彼の大金を狙う中、果たして無事に脱獄できるのか…?
メル・ギブソン主演の『キック・オーバー』は、メキシコの混沌とした無法地帯のような刑務所を舞台にした痛快なクライムアクションです。まず、その異様な設定が強烈な印象を与えます。
物語は、大金を奪って逃走中に捕まり、メキシコの荒れた刑務所に放り込まれた主人公が、その混沌とした環境で生き抜き、成り上がっていく様を軸に展開します。この刑務所の設定がまず破格で、殺伐としていながらもどこか陽気な南米ノリが混ざり合った、規格外のカオスを描き出しており、そのロケーションと雰囲気だけでも一見の価値があります。
主人公の淡々としたモノローグで状況が説明されつつ、突如として繰り広げられる緩急自在のアクションとのギャップが絶妙で、観客を飽きさせません。犯罪スキルを駆使して最下層から這い上がる立身出世的な面白さと、無法地帯の切ない現実が交錯します。単純なアクション映画かと思いきや、練られた設定と、ただ者ではないメル・ギブソンの演技によって、脳みそを使いすぎずに楽しめる満足度の高い作品に仕上がっています。
濃い味付けのクライム・アクションなので、好みは分かれるかもしれませんが、型破りな設定や展開、そしてメル・ギブソンの活躍を楽しみたい方には強くお勧めできる、掘り出し物の快作です。

出典:映画.com





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