【悪魔のいけにえ】ホラー映画

アメリカ 1974年
監督：トビー・フーパー
主演：マリリン・バーンズ   アレン・ダンジガー   ポール・A・パーテイン   ウィリアム・ヴェイル   テリー・マクミン   エドウィン・ニール   ジム・シードウ   ガンナー・ハンセン   ジョン・デュガン   ジョン・ヘンリー・フォーク   エド・ゲイン

1973年、テキサス。ワゴン車に乗ってドライブ旅行に繰り出すサリーやフランクリンら、5人の若者はヒッチハイカーの男を乗せることに。異常な言動を繰り返す彼に恐れを抱いて車から降ろしたサリーたちだったが、それを機に想像を絶する恐怖と遭遇する。

テキサスの人里離れた一軒家で、友人たちと楽しい時間を過ごす予定だった5人の若者が、想像を絶する恐怖に巻き込まれていく様子を描いた作品です。この映画の特筆すべき点は、そのドキュメンタリータッチの撮影手法にあります。あたかも実際に起きた事件を追体験しているかのような生々しい臨場感があり、観る者を心理的なパニック状態へと陥れます。
ホラー映画にありがちな派手なスプラッター描写は意外なほど少なく、多くの恐怖は暗示や音響効果によって作り出されています。チェーンソーの轟音、奇妙な叫び声、そして主人公を追い詰める不気味なキャラクターたちの存在感が、画面の外まで伝わってくるようです。
特に、クライマックスのチェイスシーンは、観る者の心臓を鷲掴みにするほどの緊張感に満ちています。絶望的な状況下での逃走劇は、呼吸すらも奪い、スクリーンに釘付けにさせます。
この作品は単なるホラー映画ではなく、人間の根源的な恐怖や狂気を問いかけるような深遠なテーマを内包しています。鑑賞後も、その不穏な雰囲気や登場人物たちの運命が頭から離れないでしょう。ホラー映画の歴史を変えた傑作として、今なお多くの人々に語り継がれています。