出典:Prime video
【サバイブ 極限死闘】
アメリカ 2022年
監督:マーク・ペリントン
主演:ソフィー・ターナー コーリー・ホーキンズ
不安障害を抱える若者たちが暮らす施設の入所者であるジェーンは、退所の日を迎えようとしていた。しかし、ジェーンは実家へ向かう飛行機の中で薬物自殺するという計画を立てていた。退所当日、施設の医師から電話がかかってくる。どうやら自殺計画に気づかれたらしい。それでもジェーンは搭乗後に機内のトイレに入り、薬物自殺を試みるが、飛行機は緊急事態に見舞われ、そのまま雪山に堕落した。ジェーンは奇跡的に命拾いをする。そしてもう一人の生存者ポールと雪山を下ることを決心。しかし、残酷な状況や個人的なトラウマに直面しながら、彼らは過酷な旅に乗り出すことになる。
この映画は、飛行機事故で極寒の雪山に不時着した人々が繰り広げる壮絶なサバイバルを描きながらも、単なる遭難劇に留まらないヒューマンドラマとしての深みを持っています。
演出面では、雪山という極限の環境がもたらす厳しさと美しさの対比が見事です。どこまでも続く雪と氷の映像は、観客に圧倒的な孤独感と緊張感を与えます。特に、登山装備もない状態で断崖絶壁を下るシーンや、吹雪の中を進むシーンは、その生々しい迫力に息をのみます。リアリティを追求した映像表現は、登場人物たちが直面する肉体的・精神的な苦痛を、あたかも自分自身が体験しているかのように感じさせます。
物語の核心は、サバイバル技術よりも、極限状況下で露わになる人間の内面、そして生きる意欲を取り戻す過程にあります。主人公が抱える過去や、同行者との関係性の変化が丁寧に描かれており、過酷な環境を共に乗り越える中で生まれる葛藤、反発、そして連帯が感動的です。サバイバル映画としてのスリルはもちろんありますが、それ以上に、絶望的な状況での「生」への執着や希望を描いた心理劇として心に響きます。ツッコミどころはありつつも、登場人物たちの感情の機微に焦点を当てることで、観客は彼らの旅路に深く感情移入できます。
全体として、この作品は、極限のサバイバルを通して人間の強さと脆さ、そして生きることの意味を問いかける、深く感動的なヒューマンドラマです。

出典:Prime video





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