出典:映画.com
【歩女あゆめ】
日本 2024年
監督:梅沢壮一
主演:黒沢あすか 石澤美和 川添野愛 橋津宏次郎 もりゆうり ジャガモンド斉藤 詩歩 木村保 清水守蔵 保田ヒロシ 安保匠 三土幸敏
交通事故により記憶の一部がおぼろげになったユリは、不動産屋で働きながら静かに暮らしていた。ある日、ユリが働く不動産屋に宮内という男が部屋探しにやって来る。宮内がやってきたその日から、ユリは「靴」に対してなぜか異様な感覚を持ち始める。そんなユリの目の前に現れたのは、何かをユリに訴えかけるように不気味にうごめく「靴の生きもの」だった。ユリがその靴に足を通した瞬間、脳裏に謎の残像や何者かの声が次々と浮かび始める。靴の生きものに導かれるように、ユリは自身の過去にまつわるひとつの真実にたどり着く。
特殊メイクアーティストとしても名高い梅沢監督が、自身の妻である黒沢あすかさんを主演に迎え、極めて独創的なビジュアルと不穏な空気感で描き出したサスペンス・ミステリーです。
本作で最も観客の記憶に刻まれるのは、間違いなく「蠢く(うごめく)靴」の造形でしょう。私たちが毎日当たり前のように足を入れ、体を預けている「靴」が、もし意志を持ち、生き物のように蠢き始めたら。特殊メイクの第一人者である梅沢監督の真骨頂とも言えるこのビジュアルは、単なるクリーチャーとしての怖さを超え、生理的な拒絶反応と、抗えない好奇心を同時に呼び起こします。
物語は、交通事故で記憶を失った主人公・ユリが、ある奇妙な靴に導かれるようにして自身の過去を辿っていく構成になっています。
主演の黒沢あすかさんは、これまでもエキセントリックな役柄を数多く演じてきましたが、本作ではあえて「ニュートラルで抑えた演技」に徹しているのが印象的です。
そして、後半に待ち受ける意外なアクション要素
これらが渾然一体となり、まるで悪夢と現実の境界線を歩いているような感覚に陥ります。美しい映像美の中に、ふと混ざり込む不快な音響や、生々しい肉体の描写。それらが織りなす「不協和音」こそが、本作の最大の魅力であり、観客の日常をじわじわと侵食していくのです。
『歩女』は、視覚的なインパクトと、精神的な揺さぶりが見事に融合した、非常に「体験型」に近い映画です。

出典:映画.com





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